Jokowi-vs-Prabowo

大統領選の動き③

こんにちは、とうとう今週末は総選挙がインドネシアで行われますね。

4月は国会議員の総選挙です。3月13日に闘争民主党(PDIP)がジャカルタ特別自治州知事のジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)を党の大統領候補としてノミネートしました。それまでは候補としての出馬表明は明らかにされていませんでしたが、これによって一気に闘争民主党の人気が高まる動きが出ています。

 

闘争民主党党首であるメガワティはスカルノの娘であり、大統領選挙には2004年、2009年に出馬したものの、共に落選。その後党首としても人気があるわけではありませんでした。今回ジョコウィを党員に迎え入れたことを背景に、党首として大統領選挙に出馬することも考えられましたが、ジョコウィを大統領候補に指名しました。

これの背景には党自体の人気の失墜をおそれたこと、また一党員で、かつまだ任期もそれほど立っておらず、

任期のジョコウィを擁立することによって、大統領に決まった際に非常に操りやすい、というのが背景にあったのではないかと思われます。

2013年7月では野党グリンドラ党のプラボウォ・スビアント党首が支持率として首位(22.7%)、2位はゴルカル党のバクリー党首(16.3%)。国民純心党のウィランと党首が3位13.2%。4位は闘争民主党(PDIP)のメガワティ党首で13.0%でした。

しかし4月2日、最新の世論調査で闘争民主党(PDIP)の支持率が27%からジョコウィの大統領選出馬の影響で37%に上昇。ゴルカル党は17%、グリンドラ党は14%と2倍以上の差がついています。

ジョコ知事自身の支持率は2014年4月時点で45%。

大統領選の出馬を表明する前から、ジョコ知事の人気は非常に高く、2013年11月時点でも支持率は37%でした。プラボウォ元陸軍戦略予備軍司令官(グリンドラ党)の15%、ゴルカル党のアブリザル・バクリー党首の 14%を大きく引き離していました。

闘争民主党(PDIP)のメガワティ党首、現在の連立与党である民主党のイスカン国営企業相はそれぞれ6%で4位。

4月の議会選挙が終われば、7月に直接選挙での大統領選が実施されます。候補者の擁立には議席数の20%以上得票率25%以上を得る必要があります。基準が満たされなければ連立を組むことになります。

また各党の支持基盤を厚くするために、労組と各党は関係を構築しようとしています。

全インドネシア労働組合総連合(KSPSI)の代表の一人であるダンディ・ガニ氏は最大野党 PDIPの党員であり、彼が率いる労組の党員へのPDIPへの支持を勧めています。

KSPSIのアンディ氏は実業家で、父親も組合活動家で政治家へ転身し、メガワティ政権下で労働・移住相を務めており、2003年の労働法の制定で中心的な役割を果たしており、親子二代での労働者の権利向上を目指しています。

彼自身は現在最低賃金、社会保障制度、アウトソーシングに関する問題の解決などに努めており、

最低賃金に関しては昨年のような急激な上昇に関してはあまり好意的ではなく、物価上昇や成長率を基準にした設定を行うべきだと主張しています。

一方で、組合員が140万人で第2勢力の労組であるインドネシア労働組合総連合(KSPI)は、グリンドラ党のプラボウォ党首をサポートする動きがあります。代表はイクバル氏ですが、彼も労働・移住省の閣僚の選出を狙っています。

ただ、インドネシアの労働組合団体の第3勢力であるインドネシア福祉労働組合総連合(KSBSI)もジョコウィを支持するということで、ジョコウィの大統領への可能性は徐々に高まりを見せており、もはやジョコウィの独壇場、議員選挙も大統領選挙も始まらぬうちから大統領はきまったようなもの、、といった雰囲気があります。

イスラム政党である開発統一党(PPP)、福祉正義党(PKS)、国民覚醒党(PKB)などは一部賄賂などの問題で得票率を下げ続けており、大連立を模索しているものの、ジョコウィの勢いには到底及ぶところではありません。

じゃあジョコウィっていったい何者か?

彼は中ジャワのソロに生まれ、貧しい大工の父のもとで育ち、家業を手伝いながら大学を卒業しアチェの国営不動産賃貸業に。

その後実家の木材業で再就職したものの、木材ビジネスで1988年起業をし、1994年から96年までで輸出業でジャワ島内、海外への輸出も手掛けるようになります。このビジネスは1つの町工場から8つの工場、そして1200名の従業員を雇用するまでになりました。

その後2005年からソロ市長として選出され2012年までつとめました。

その間に下記の業績を挙げました。(一部抜粋)

・ソロメインストリートへの歩道の導入

・地元の公園の活性化

・ソロのジャワ文化・観光の中心地としてブランド化(The Spirit of Java)

・MICE(meetings, incentives, conventions and exhibitions)としてのソロへの招致

・健康保険プログラムの創設

・ダブルデッキ型のバス、レールバスの導入

・技術高校(SMK)の生徒たちによる国内る部品調達率80%の国民車Kiat EsemkEsmkaの生産を支援するための

テクノパークの設立

・ソロの世界遺産登録(2006年)

その後その業績が認められ、プラボウォ氏からの支援を得ながら2012年にジャカルタ特別州知事に選ばれました。

ジャカルタでも都市計画、最低賃金、社会保障などさまざまな問題に「超庶民派」として取り組んでいます。

社会問題が起こっている現場に予告なしに訪れたり、車を使わずに公共機関をを利用したりと、国民の生活に密着した活動が、ジャカルタ国民のハートをつかんでいます。

その後世界で3番目に素晴らしい知事として選ばれ、注目を浴びるジョコウィ。過去の業績や、国民の人気があるが故であり、大統領候補として選ばれるのも、もっともな人物です。

ただ彼が大統領になったとして、大手を振って喜べない部分はあります。

まず冒頭にもあったようにジョコウィはあくまでも闘争民主党の一党員であり、メガワティ党首がジョコウィの政策に対して全て参道することはありませんし、何よりジョコウィがメガワティの「おかげ」で大統領になれたという「恩」を考えると、簡単に身動きなど取れないでしょう。

私としては任期が10年あるのであれば、今当選せずに、自ら時間をかけて力を蓄えていくのが、彼の力を十分に発揮できる環境がそろうのが国民にとって一番ベターなのではないかと。

またメガワティだけではなく、グリンドラ党の党首であるプラボウォ氏はジョコウィ氏の大統領候補擁立に対しても複雑な感情を抱いているでしょう。彼は62歳、今回の大統領選挙で選出されなければもう次はありません。彼はジョコウィがジャカルタ知事選に出馬した際にも、選挙活動で資金面などで支援をしていたり、また選ばれた後も友好的な交流がありました。

ただ、彼は政敵に対し非常に攻撃的な面があり、ヘイトスピーチなどもよく行っています。

雄弁で決断力のある人物というイメージがあり、ジョコウィとは違い恰幅があり威厳もあり資金もある。政治家になるにはその風格という点で文句なしです。

ただ国民が求めているのは戦時中のヒーローであったプラボウォよりも、現在問題として抱える官僚間での汚職、

社会問題に積極的にアプローチするジョコウィ知事なのです。

ただかれはまだジャカルタの知事に就任したばかりで、ジャカルタの問題にも取り組み始めたばかりです。またプラボウォのような政治的支持基盤が強いわけでもありません。

昨年ジャカルタの最低賃金が前年比44%も上げられ、その影響で多くの集約労働型企業が倒産、外資に関してはベトナムやカンボジアなどに工場を移設する案もでたり、最低賃金の急激な上昇により、他の地域での賃上げデモが後を絶たなくなり、インドネシア経済に大きく影響を与えることになりました。

またMRTに関してはようやく事業が動き始めたものの、他のインフラ面での予算の効率的な利用についても、批判的な意見が非常に多くありました。例えば公的交通機関を増やす(トランスジャカルタの車両増やモノレールの整備化など)前に高速道路を増やしていくという意見は、自動車の購買を促進するだけで、根本的な問題にならないと指摘されていました。

さらには2012年ジャカルタで医療サービスを無料で受けられるカードの州民への配布を開始。国家社会保障制度(SJSN)のモデルとされるものですが、これにも問題が起こっています。無料ということでちょっとした治療にもすぐに病院にいけるようになったため、病院側がその対応に追われて、人材不足が懸念されるようになりました。

このようにジョコウィ自身にも、まだまだ新政策をうつものの、その効果に関しては、目を見張る必要性があります。

ただ大統領になった場合、彼のその手腕については、過去の経歴からもスピード性があり、

多少の効果や現状の分析に関しては、副大統領や優秀な官僚の選出によってカバーできる部分があります。

一番の問題は彼の周りに存在する人間関係。特にメガワティとプラボウォの扱いに注意をしなければならないのです。

優秀で、インドネシアの政治事情をよく知り、ジョコウィを決して裏切らないけれども、この2名との関係性を

円滑にしていく人物が、彼には必要になってくるかもしれません。

 

英語関連記事:

http://www.thejakartaglobe.com/news/fresh-survey-reaffirms-jokos-rise/

http://www.thejakartaglobe.com/news/survey-indicates-broad-support-for-islamic-coalition-in-2014/

http://www.roymorgan.com/findings/5319-indonesian-vote-october-2013-201311252157

インドネシア語関連記事:
http://www.suarapembaruan.com/home/jokowi-kalahkan-prabowo-di-survei-roy-morgan-research/45418

 

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