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イスラム金融の仕組み

写真はマレーシアのイスラーム銀行と認められた支店につけられるマークです。

こんにちは!おひさしぶりでございます。昨日は雪がすごかったですね~いや、びっくりした。

東北の人にとってはこんなの日常茶飯事なんでしょうけど、高知出身の人間からしてみたら人生1,2を争う雪の量!!!(スキーとか除く)

さすがの私も昨日は外出しませんでした。一日中ベッドの上(笑)

まったり趣味の語学をやってました。

さて、本日はイスラム金融について。

じつは先日とある学会にお邪魔して勉強させていただいたのでそれをシェア。マレーシアのイスラム金融ってすすんでんだな~インドネシアとか法整備的にまだまだなんだろうな、と思いながら。

イスラーム金融とは、イスラームに基づく金融のことで、銀行業、保険業、証券業、債券、投資信託などがあります。

例えばギャンブル的なものとかは含まれないビジネスをするのがイスラム金融です。ギャンブルなものや不確実なものに対して利益を取ることは不当だとするのです。

(ギャンブルや不確実の定義は今も議論の余地があるようです)

イスラーム銀行の仕組みには下記のようなものがあります

 

①リバー(Riba)の排除…

Ribaとはいわゆる利子のことだそうですが、Shariaが作られた時代、そんな利子なんて概念はなかったであろうので「売手と買手の間の公平でない不当な取引による利益」にあたります。

これを排除するというわけです。利子を利用した取引ではなく、別の取引形態で事業を行うのです。

 

②ハラム(haram)である取引を避ける…

Haramはよく聞きますよね。Halalの対称語かな。「禁止」という意味です。

アルコール製造、養豚、売春、ギャンブルを行う企業への投資・融資が禁止されています。利子を含んだ金融商品の売買もハラムに当たります。

 

③ガラル(gharar)の排除…

Garar自体は「不確実性」という意味になります。アラビア語で「リスク」「偶然」という意味になりますが、これらの言葉は不確実性を意味するのです。

たとえば、まだ生まれていないラクダの胎児の売買などは禁止にあたるそうですが、これはまだ生まれてくるかわからない、という不確実性を持っています。

保険もそうです。いつ死ぬかわからない不確実な人の「死期」に対して契約を結んでいるのです。

先物取引に関しても将来売買する権利を今売買しているという意味で、将来どうなるかわからないという「不確実性」が伴っています。

 

④ザカート(zakat)の負担…

いわゆる喜捨です。預金者、借り手、従業員などの喜捨とは別に、イスラム銀行自体が貧しい人たちに対し喜捨を施します。その金額に関してはP/Lに基づき算出されるそうです。

 

⑤シャリーア・ボード(Sharia board)の設置

イスラーム金融機関における業務が正当であることを担保する機関です。

イスラーム法学を専門とする複数の専門家によって構成されます。業務や金融商品開発時のアドバイスなどを行います。

上記だと証券などの運用益やATM手数料などは一般のサービス内での利益なので問題はないそうです。

融資や預金では利子が発生するため、利子以外の方法で利益を上げなければなりません。

利子以外の方法とは具体的には下記が主になります。

 

ムダーラバ(Mudharabah):事業に対する投資という考え方。

ムダーラバ融資:融資に対する利子ではなくて、対象事業の収益の分配、という考え方に基づきます。所謂イスラム銀行による投資ですね。

ムダーラバ預金:原則として元本保証はされません。所謂預金者による事業に対する投資で、

利益が出れば元本+利益の一部(ここがいわゆる利子の部分)を預金者が受け取れるけれども、損失が出た場合は元本を損失するということになります。

 

ムシャーラカ(出資)

事業実施者とイスラム金融機関が一定比率で事業に出資して、
各々の出資割合に応じた配当受領権、経営発言権を持ち、また、損失発生時のリスク負担の責任を負う契約をいいます。

パートナーからの出資は資金だけでなく、動産、不動産、技術、マネジメント等の現物出資の形をとる場合も多いです。

ムダーラバと似ていますが、ここでは事業実施者とイスラム金融による出資の話で、

ムダーラバは預金者などから資金を集め、そこから事業を投資することになります。

 

ムラーバハ(売買契約):所謂自動車ローンなどの契約にあてはまります。

一般的には顧客が自動車のローンを組む際には利子が発生しますが、その一契約ではなく、まずイスラム銀行が自動車販売会社から自動車を購入し、

その後顧客に販売する時にマージンを乗せて支払うということを行います。(顧客は分割して支払います)

イスラム金融の資金運用の 6~7割程度がムラーバハだといわれています。

 

イスティスナー(Istisnaa:生産金融) :ムラーバハの商品がまだできてないバージョン。

新規の住宅取得やプラント設備のようにこれから建設するため契約時点では実物資産が存在しない取引です。イスティスナーとは「作らせる」の意味があります。

商品購入者とイスラム金融機関は製造する商品の詳細(スペック、期日、価格)につきあらかじめ合意し、

イスラム金融機関は商品製造業者に代金を先払いします。

商品が完成の都度それを商品購入者に引き渡し、同引渡し時に商品購入者から商品製造代金に利益(金利相当)を上乗せした金額を受け取るというスキーム。

 

イジャーラ(Ijara:リース):リース契約

通常のリースをイスラム金融機関が仲介することにより通常取引での利子の発生が起こらないようにするスキーム。

イスラム金融機関(レッサー)は建物や機械設備等の資産を購入・所有して、リース利用者(レッシー)に賃貸し、

賃貸期間中はリース料を徴収。土地・建物、設備機械類、航空機、船舶等の資金調達に利用されます。

シャリーアにおいては、資産の所有権は、その資産を所有し最終的に処分するラカバ(Raqaba:所有権の意)と、

その物を利用しそこから得られる利益を独占するマンファア(Manfa’a:用益権の意)の 2 つから成り立ちます。

この場合は賃貸者から賃借者への用益権の移転になります。

リース期間終了時点でイスラム金融機関から利用者に対してあらかじめ合意していた価格(残存価格)で

設備等を売却(所有権移転)することを前提とした場合はイジャーラ・ワ・イクティナ(Ijara wa Iqtina)と呼ばれます。

 

上記がイスラム金融の取引・契約の基礎ですが、下記はその応用編になります!

 

スクーク(Sukuk:イスラム債)

スクークの発行の仕方は下記の通り。

①特定目的会社(Special Purpose Company:SPC)が設立され、SPC が事業実施者から設備・不動産等を購入。

②SPC は当該設備・不動産を事業実施者にリースさせて(リースバック)リース期間にわたってリース料を事業実施者から SPC に支払われる。

③SPC がパススルー証券(スクーク)を発行し投資家がそれを購入。②で得たリース料ををスクークの支払原資にする。

④スクークの最終期限で、事業実施者は SPC から設備等を予め定められた価格(資産の残存価値)で買い取り、当該資金もスクークの償還原資とする。

 

タカフル保険

保険に関してはタカフル保険というのがありますが、これは生命保険や損害保険に加盟する人たちが

お互い何かあった時に助け合おう、という名目のもとで資金が支払われ、自己などが起こった時に保証をしてくれる、という概念に基づいて事業が行われています。

つまりその保険に入れば保証が受けられるということになります。

イスラム金融に関してはバーレーンやマレーシアに監督機関や会計監査などの機関があるようで、(バーレーン:イスラム金融機関会計監査機構(AAOIFI)、マレーシア:イスラム金融サービス委員会(IFSB))当該2国はイスラム金融の中でも法整備において最先端を行っています。例えばムダーラバ預金に関しては2013年6月にマレーシアでイスラム金融の考え方に基づき、預金口座から投資口座への変更を決めました。

これは預金にも関わらず、事業の悪化によって元本が戻ってこないのは、投資のようなハイリスク、ハイリターンをもとめるものと判断したためです。投資口座の場合だと元本の全額返還は義務化されません。

またファミリー・タカフル(生保に相当)とゼネラル・タカフル(損保に相当)の兼業を禁止しました。(一般的な保険業だと禁止されているかと思いますが、タカフル保険では兼業がなされていました。)

アブドゥラ・アフマッド・バダウィ・マレーシア首相が「マレーシアをイスラム金融のハブとする」と宣言したように、

マレーシアはアジアでも有数のイスラム金融国になろうとしています。

2013年12月にはマレーシアのイスラム金融の市場規模は現在の1兆3,000億米ドルから、来年は2兆米ドルに拡大しており、その成長はとどまりを見せません。イスラム金融の資産規模は全体の2割だそうです。

さて、インドネシアはどうでしょうか?

金融監督庁(OJK)によると、2014年にはシャリア金融市場(インドネシアではイスラム金融市場のことを左記のように呼ぶようです)が年率4割成長するとの見通しを発表しました。

課題としてはマイクロファイナンスや中間層以上向けの商品開発、インフラ事業向け融資の拡大があります。

シャリア金融の専門家で構成されるシャリア金融委員会を創設し、OJKへの助言を行う計画だそうです。

シャリア金融は2013年末時点で資産総額の約5%。2014年には7%に上るとの見通しも出ています。

2013年の取引額は約2兆5,200億円だそうです。

マレーシアと比べるとまだ半分も市場規模としては達していませんが、インドネシアの人口規模を考えると、伸び白はまだありますし、マレーシアの動きと連携さえできれば、より効率的にイスラム金融の法整備も進むのではないでしょうか。

しかし、課題としては世界的にイスラーム法学者が70~80名ほどしかおらず、十分な法整備を整える人材が

不足していることからも、インドネシアでの法整備も短期的に行われるのは難しいかもしれません。

引き続きインドネシアのイスラム金融について、レポートしていこうと思います!

参考資料:

https://www.joi.or.jp/pdf/0704_IslamicFinance.pdf

(国際協力銀行 海外投融資情報財団資料)

英語関連記事:
http://en.indonesiafinancetoday.com/read/38548/Sharia-Banks-Develop-Micro-Business


インドネシア語関連記事:
http://m.bisnis.com/en/read/20140202/114/24165/-islamic-banking-market-share-may-reach-7-in-2014

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