こんばんは~気持ちのいい季節になってきましたね。私は最近少し花粉症気味でございます。いつも皆さんより1か月ほど遅れてくしゃみがとまらなくなります。
さて、本日はインドネシアの港について。これから物流や港のことについてちょくちょくまとめていこうかと思っております。どうぞよろしくお願いします。
インドネシアで最大の国際貨物取引量があるのがジャカルタにある国際港湾タンジュンプリオク港。
インドネシアの国際貿易の玄関口としてのみならず、国内輸送最大の発着ポイントとしても機能しています。
実は収容規模が小さすぎて国際船が入って身動きが取れないくらいの狭さ。
コンテナの保管スペースが全く足りなくて、所狭しに積み上げている状態。
2012年末には強風で多くのコンテナーが崩れ落ちて損傷を受けたとのニュースもありました。
通常の貨物でしたら無検査で割と早く通関が出来るのですが、新規投資の優遇措置を受けた免税の設備や材料は、下手をすると1ヵ月くらい滞留する危険があります。
タンジュンプリオクはこんな感じ↓↓↓
沖にでているのは北ジャカルタ・タンジュンプリオク港沖のニュープリオク(カリバル)港。その内陸側に6つのターミナルがあります。
TerminalⅠ : 在来船ターミナル
TerminalⅡ : コンテナターミナル(内航)
TerminalⅢ : コンテナターミナル(内航・外航)
JICT (Jakarta International Container Terminal) : コンテナターミナル(外航)
Koja Terminal :コンテナターミナル(外航)
TPT (Tanjung Priok Car Terminal) : 自動車専用ターミナル
ニュープリオク・ターミナルの開発は、2025 年までの「インドネシア経済開発加速・拡大マスタープラン(基本計画)=MP3EI」に含まれており、第1期ではコンテナ・ターミナル3カ所、燃料用ターミナル2カ所を開発。
年間取扱能力はコンテナ・ターミナルが計450 万TEU(20 フィートコンテナ換算)(後にも書きますが第1コンテナターミナルは150万TEU,第2、第3合わせて300万TEUの予定)、燃料用ターミナルが940 万立方メートル。
※TEU=twenty-foot equivalent unit(20フィートコンテナ換算)貨物の容量のおおよそを表す単位です。20フィートコンテナの1個分を1TEUと示します。※
23 年には第2期を含む、すべての開発が完了し、コンテナ・ターミナルの年間取扱能力は1,800 万TEUとなる予定です。
タンジュン・プリオク港は年間約620 万TEUのコンテナを取り扱っており、一方でその処理能力は500 万TEU程度。
2013年3月、その北ジャカルタ・タンジュンプリオク港沖のニュープリオク(カリバル)港の第1コンテナターミナル(全部で3カ所)の信金調達・建設・運営の委託で優先交渉権者に三井物産が指名されました。
このコンテナターミナルの運営業者を三井物産、海運最大手APモラー・マークスさんかなど3社から選定する予定でした。
第1コンテナ・ターミナルの年間取扱能力は150万TEU(20フィートコンテナ換算)となる予定。
2014年3月の稼働を目指して、日本郵船、川崎汽船、台湾、長栄海運(エバーグリーン)、韓国・韓進海運、シンガポール・APLの海運大手5社と船舶の寄港に向けた交渉を行います。
ペリンドⅡはこのほか、ニュープリオク・ターミナルに年間取扱能力50万TEUのコンテナ・ターミナルと容量50万立方メートルの石油ターミナルを2カ所ずつ建設する計画で、事業総額は25億ドル(約2,310億円)を見込んでいます。
カリバル港のコンテナ・ターミナル1カ所を含む第1期工事は2012年年9月に着工し、2014 年12 月の開港を目指しています。
コンテナ・ターミナル2カ所と石油・ガスの貯蔵ターミナル2カ所を合わせた全体の完成は、22 年を予定。
ペリンドIIは、カリバル港と西パプア州ソロン港の整備に7兆ルピア(約670 億円)を投じる計画で、大半はカリバル港に充てます。
残りのコンテナ・ターミナル2カ所については、国内外港湾運営業者18 社から運営業者をきめることになっており、同年3月の終わりには運営業者を決める入札が開始。
香港のハチソン・ポート・ホールディングス、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ・ポーツ・ワールド、デンマークのAPMターミナルズ などが応札準備を進めています。
第2、第3コンテナ・ターミナルの年間取扱能力は、計300 万TEU(20 フィートコンテナ換算)。2016 年に操業を始める計画。
カリバル港のコンテナ・ターミナルの取扱能力は1,300 万TEUとなる予定。総工費は24 兆ルピア(約2,350 億円)で、3期に分けて建設。
北ジャカルタ・タンジュンプリオク港のコンテナターミナル運営会社ジャカルタ・インターナショナル・コンテナ・ターミナル (JICT)は、
来年末までにコンテナ取扱能力を年間300 万TEU(20 フィートコンテナ換算)に引き上げる目標を示しています。
保管所の拡張や、新設備の導入による作業効率の向上、2012年に導入を始めたトラックの自動ゲートの数を現状の14カ所から20 カ所に増やす計画をしています。
親会社である香港の港湾運営大手ハチソン・ポート・ホールディングス(HPH)は先に、14 年までに同ターミナルの能力増強に6,000 万米ドル(約56 億円)を投資する計画を示していました。
JICTには、HPHの現地法人が51.0%、国営港湾プラブハン・インドネシア(ペリンド)II が48.9%、海事協同組合が0.1%をそれぞれ出資しています。
またタンジュンプリオクだけではなく、ジャワのもう一つの中心港である東ジャワ州タンジュンぺラック港も設備を増やし対応しやすくする動きが出ています。
プラブハンインドネシア(ペリンドⅡ)は、トゥルクラモン多目的ターミナルの設備を海外3社に発注。投資額は1兆5,000億ルピア(約145億円)
発注額は、フィンランドのクレーン製造大手コネクレーンズに自動スタッキングクレーン20基、船からの貨物陸揚げのためのクレーン10基、ストラドルキャリア5基を発注し1億4300万米ドル(約134億円)、
フランスの資材運搬車製造ゴーサンにコンバインド・ターミナル・トラクター(CTT)を50台発注し1080万ドル、オーストラリアのプログラム会社リアルタイム・ビジネス・ソリューションズに港湾運営システムとして825万米ドル。
タンジュンぺラック港の貨物取扱い量は現在の150万TEU(20フィートコンテナ換算)から350万TEUに拡大予定です。
さらに他の港に関する動きとしては、2013年2月に全国水産物流通システム(SLIN)整備と、4 カ所に冷蔵施設を整える計画が海洋水産省によって発表されていることです。
2013年は6900億ルピア(約5億7000万円)を投じて、主要漁港4カ所に冷蔵施設を設置します。
SLINの第1弾としてジャカルタ特別州に収用能力2000トン、東ジャワ州ブロンドンに1500トン、南東スラウェシ州クンダリに500トン、マルク州アンボンに100トンの冷蔵施設を設置、11月の稼働を目指します。
スラウェシとマルクは魚介類生産の拠点で、ジャカルタと東ジャワは産地と消費地を結ぶ物流の中心地。冷蔵施設の電力は太陽光発電で賄う予定です。
東ジャワ州スラバヤに水産物を運ぶ場合、アンボンからだと1キログラム当たり1,800ルピアの費用が掛かりますが、中国からだと700ルピアで済みます。
SLINの整備により、国内の物流コストが低減されたり、魚介類の安定供給で価格変動が抑えられます。
また全国のコンテナ港運営、国営社を2013年4月設立予定になっています。全国111カ所の港湾でコンテナの荷役を手掛け、世界有数のコンテナターミナル運営会社を目指します。
プラブハン・インドネシア(ペリンド)I~IVが出資して新会社プティ・クマス・インドネシアを設立し、まずは、今年末からリアウ諸島州バタム島バトゥアンパル港、2014年からは
北ジャカルタ・タンジュンプリオク港沖のニュープリオク(カリバル)港の運営を手掛ける予定です。
【おまけ】北ジャカルタ・タンジュンプリオク港の多目的ふ頭の荷役料金2013年5月から7割引き上げ
定期船による個品運送の一般貨物が1トン当たり7万1,000 ルピア(約727 円)
二輪車が1台当たり7万6000ルピア
自動車同28万9000~44万2000ルピア
トラック・バス・油圧ショベル同77万6000~172万6000ルピア
料金改定を行った2008年の時から賃金が3倍に増加していることが原因。
4月25日
http://www.antaranews.com/berita/365167/dahlan-indonesia-miliki-perusahaan-peti-kemas-terbesar-dunia
http://en.bisnis.com/articles/bongkar-muat-jict-targetkan-kapasitas-3-juta-teus-akhir-2014
http://www.bisnis.com/articles/terminal-i-kalibaru-mitsui-dapat-konsesi-istimewa
http://www.bisnis.com/tanjung-priok-tarif-baru-bongkar-muat-diberlakukan-1-mei
英語関連記事:
http://www.thejakartaglobe.com/business/sby-kicks-off-construction-for-new-priok-terminal/581384
その他参考資料:
http://www.ms-ins.com/marine_navi/hull/info/msi_news/pdf/MSIMarineNews20120822.pdf