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Development of Health Care

photo from Viva news

インドネシアの医療・ヘルスケア市場は他のアジアと比べ、かなり遅れているといえる。
国内総生産(GDP)に占める医療費支出の比率は2.6%(2010 年)と低く、
全国での病床数は2010年の時点で人口2億4000万人に対し、約15万床しかない。(cf.日本は160万)
人口1万人当たりの医者数は2008年時点で約3人である。ドイツ35人、アメリカ27人、日本の20人とは遥かに医者不足である。
原因としては他国ほど医者が敬われるような職業ではないことが原因の一つになっているのかもしれないいが、今回ここではよりマクロな話をしていきたい。

また大手私立病院が中東やアジア周辺国から診断、治療を目的とする患者を多数誘致するメディカルツーリズムに関しても、一部の大規模な病院で、試みるといったレベルで、そもそもそういった概念の確立ができてはいない。

上記のような状況を打開するべく、インドネシア政府の医療に対する動きが活発になってきている。
まず病院数。2010 年の病院数は1,632 軒、05 年比で約3割増えた。

また保健分野ではインドネシアの国家開発計画における11の重点分野のうち、
「政府改革」「教育」に続く3番目の優先分野として位置付けられており、保健省の予算
も年々拡大。2014年には国家社会保障制度SJSNが導入、国民皆保険が実現する。
SJSNとはインドネシアの全国民を対象とした医療保険、労災保険、養老保険、年金保険、死亡保険からなる社会保障制度である。

さらに首都であるジャカルタ特別州は去年11月10日、医療サービスを無料で受けられるカードの州民への配布を開始。既に3000枚を北ジャカルタ地域に配布。来年までに450 万枚を配る計画。2014 年に全国民を対象に導入される国家社会保障制度(SJSN)のモデルとする考えだ。
低所得層に優先的に配り、最終的には全州民に届ける。所有者は州内の保健所340 カ所と指定の病院88 カ所で基本的な医療サービスを無料で受けられる。
来年の州予算で、医療分野は2兆9,000 億ルピア(約240 億円)と最大の割合を占める。このうち健康カードのための予算は9,000 億ルピア。

このように政府による支援が増える中、実際のインドネシアの医療現場はどのようになっているのか?
インドネシアの医療移設は以下の様なものがある。

1)一次医療施設としての保健所
・施設数は9000カ所以上。
・医療レベルは低く、医療機器や医薬品の一部はWHOから提供される場合もある。

2)中小規模の公立病院
・国民の健康を支える医療インフラの中核を担っており、都市部以外の地域で建設が進んでいる。
・2014年の公的保険の適用範囲が広がれば患者が増加する機関。

3)学術機関としての機能を持つ大規模公立病院
・高度な医療を提供
・学術機関の機能を持つため、オピニオンリーダーとしての存在がある。

4)ビジネスとしての医療サービスを提供する私立病院
・財閥系も含めて増加中
・客である中間層以上の人口が増えるにつれ、今後も存在感を増していく(現在は富裕層などが多い)
・医師は海外での留学、研修経験があることから、欧州、米国、日本といった先進国のメーカーのハイスペック製品をそろえようという意欲がある。

また私立病院を運営する民間企業や財閥においては
今後の医療分野の拡大をにらみ、大規模な動きをしている場合もある。

■華人系財閥リッポー・グループは、傘下の不動産開発リッポー・カラワチを通じて
シロアム・ホスピタル・グループを展開しているが、12 年に病院7~8軒を建設して保有軒数を15 軒に倍増させ、今年はさらに10 軒を新設する計画を進めている。
向こう6年の病院建設など医療向けの設備投資額は10 億米ドル(約814 億円)。

■私立ポンドック・インダ病院は、国内外から訪れる患者にワンストップで健康診断サービスを提供
する施設を設置。日本人駐在員の多くが居住する南ジャカルタに立地していることもあり、駐在員や家族が日本語で診察を受けることのできる診療所「JClinic」を院内に設置。

■インドネシアで最大規模のチプト・マングンクスモ病院は、10 年に既存病院棟の隣にプレミアム棟をオープン。国内最高峰の医療技術に上質なサービスを付加することで富裕層の取り込みを図るほか、JCI認証(米国に本部を置く国際医療機関機能評価機関、Joint Commission International による認証。国際水準の医療サービスを提供している医療機関であることの証左となる。日本では、亀田総合病
院やNTT東日本関東病院、聖路加国際病院が取得)の取得を目指すなど、外国人や医療観光客の取り込みを意識した活動も行っている。

現在日本の医療機器や薬品の取扱は3)や4)に集中しているが、
もし政府の医療への予算が拡大化し、地域への支援も増えるようになれば、
1)や2)への医療機器などの導入が可能になる可能性もある。

参考資料
ジェトロ
http://www.jetro.go.jp/world/asia/biznews/5062aee499908
http://www.jetro.go.jp/world/asia/biznews/50617741c8ed8
NNA
http://nna.jp/free/news/20130117idr022A_lead.html

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